UNIX入門:付録 - UNIX Hierarchy と歴史

UNIX Hierarchy

 下記は,UNIX Hierarchy の中で,本サイトで学べる部分のみを抜粋。

[ノート]参考程度にしてください。あくまでも UNIX Hierarchy の部分訳です。

「UNIX」の由来とその始まり

「UNIX」とは?

「UNIX とは,X/Open Company の登録商標で "Uniplexed Information and Computing System" の略である。」

という説明が登録商標の観点からは必要であるが,下の「その始まり」でも述べるように,"Multics" を皮肉った造語であって,元来は略語ではない。現在,UNIX と言った場合,それは UNIX系 OS 全般を指す言葉として使われており,大きくは,BSD系と System V系に分けられる。前者は,FreeBSD,OpenBSD,NetBSD,Solaris,Darwin(Mac OS X)等が該当する。(図による詳細な系譜については UNIX History を。)
 UNIX のソースは,C言語で書かれており,公開されている。
 UNIX は,マルチタスク,マルチユーザ型の OS。

その始まり

1965MIT (Massachusetts Institute of Technology),GE,AT&Tベル研究所がマルチタスク,マルチユーザ,仮想メモリを実現したOS,「Multics」を共同開発。しかし,開発しても経済的な OS にはなかなかならず,AT&Tベル研究所 (現ベル研究所) は1969年に撤退(ベル研究所, 2000)。
1969AT&Tベル研究所の Ken Thompson が1969年,Multics 上のゲーム "Space Travel" を開発,それを GE の OS (GECOS) 用の Fortran に翻訳。このゲームは,太陽系の中を宇宙船を操作し,惑星に着陸させるようなものであったという。ところが,計算に75ドルもかかることがわかり,Dennis Ritchie と Thompson は,がらくた同然の(little-used) コンピュータ,PDP-7でこのゲームが走るようにしたという。このときに UNIX が生まれるのである。Ritchie (1993) によると,PDP-7は 8K 18-bit words of memory の機械であったという。二人の共同研究者だった Brian Kernighan が,撤退した「Multics=Multi+cs」を皮肉って「UNIX=Uni+cs」と名付けるよう示唆した(Ritchie, 1980)。
1971-741971年,Thompson が B言語を作る。Ritchie がそれから "New B",そして,C言語へ(Cの完成は1973年頃)。Thompson と Ritchie が,その C言語で UNIX のソースを書く。ハードウェアに依存しない,移植性のある世界初のOSが誕生することとなる。
1976-77Thompson が母校の UC Berkeley で1年間講義。このときの院生に Bill Joy がいる。Bill Joy は,79年に修士号を取り,Thompson が去った後,BSD (Berkeley Software Distributions) のメイン・デザイナーとなる(McCormick, 1997 参照。ちなみに,Bill Joy は,Sun Microsystems の共同設立者であり,エディター vi の作者)。
1983AT&T側が1月に System V を発表し本格的に商用版に乗り出し,UC Berkeley が9月に 4.2BSD を発表。4.2BSD は,仮想メモリや TCP/IP を内臓するなど,現在の UNIX のプロトタイプ。
Picture: Ritchie and Thompson
Dennis Ritchie (standing) and Ken Thompson begin porting UNIX
to the PDP-11 via two Teletype 33 terminals. (Source: Bell Labs.)

参考文献
Bell Labs (2000), "The Creation of the UNIX* Operating System," mimeo.
Ritchie, Dennis M. (1980), "The Evolution of the UNIX Time-Sharing System," Lecture Notes in Computer Science #79: Language Design and Programming Methodology, Springer-Verlag, reprinted as AT&T Bell Laboratories Technical Journal 63 No. 6 Part 2, October 1984, pp. 1577-93.
Ritchie, Dennis M. (1993), "The Development of the C Language", mimeo.
McCormick, Gavin (1997), "The Berkeley Link," mimeo.