現代経済学応用:講義概要(シラバス)
[前期]現代経済学応用A
【授業のテーマ】
経済学への応用,特に,後期「現代経済学応用B」の前提知識を意識したゲーム理論の非協力ゲームについて学びます。非協力ゲームは,大きく分けて,標準形(戦略形)ゲームと展開形ゲームがありますが,完備情報と不完備情報を組み合わせると,4種類のゲームがあり,各々に応じて均衡概念が異なります。本講義では,それらすべてを学びます。
【授業の到達目標】
概念・理論の理解とその応用力
【授業の概要と方法】
毎回,テーマに沿って講義し,練習問題を出しますので,次回までに解答を作成して来て下さい。講義・演習の繰り返しによって,理解,応用力を高めます。
【授業計画】
回 | テーマ | 内容 |
---|---|---|
1 | ゲーム理論とその経済学への応用例 | ゲーム理論,応用例 |
2 | 戦略形ゲーム(1)ゲームの構成要素 | プレイヤー,戦略,利得関数,戦略形ゲーム |
3 | 戦略形ゲーム(2)支配戦略 | 支配戦略,支配戦略均衡,弱支配,弱支配繰り返し削除法 |
4 | 戦略形ゲーム(3)ナッシュ均衡 | 純粋戦略,混合戦略,ナッシュ均衡 |
5 | 展開形ゲーム(1)ゲームの構成要素 | プレイヤー,ゲームの木,局所戦略,情報集合,利得関数 |
6 | 展開形ゲーム(2)標準化 | 履歴,行動戦略,標準化,ナッシュ均衡 |
7 | 展開形ゲーム(3)部分ゲーム完全性 | 信憑性のない脅し,部分ゲーム,部分ゲーム完全ナッシュ均衡 |
8 | 不完備情報(1)ゲームの構成要素 | プレイヤー,戦略,利得関数,不完備情報,自然 |
9 | 不完備情報(2)完備化とベイジアン均衡 | 完備化,ベイジアンゲーム,ベイジアン均衡 |
10 | 不完備情報(3)展開形ゲーム(1)ゲームの例 | 展開形ゲーム,不完備情報 |
11 | 不完備情報(4)展開形ゲーム(2)完備化とナッシュ均衡 | 展開形ゲーム,不完備情報,自然,完備化,ナッシュ均衡 |
12 | 不完備情報(5)展開形ゲーム(3)信念と逐次合理性 | 信憑性のない脅し,信念,逐次合理性 |
13 | 不完備情報(6)展開形ゲーム(4)完全ベイジアン・ナッシュ均衡 | 信念形成,ベイズ・ルール,完全ベイジアン・ナッシュ均衡 |
14 | まとめと復習 | 演習 |
15 | 期末試験 | 試験 |
【授業外に行うべき学習活動(準備学習等)】
毎回の練習問題の解答
【テキスト】
指定なし
【参考書】
岡田章『ゲーム理論』有斐閣
ギボンズ『経済学のためのゲーム理論入門』創文社
中山幹夫『はじめてのゲーム理論』有斐閣
*後期「現代経済学応用B」を履修する方は,奥山利幸『ミクロ経済学』(白桃書房)の12章
【成績評価基準】
課題50点,期末試験50点(概念・理論の理解80点,応用力20点)
【学生による授業改善アンケートからの気づき】
新規担当につき該当なし
[後期]現代経済学応用B
【授業のテーマ】
人材の引き抜き,企業の資材調達,ネットオークションや骨董品のオークション,公共財などに応用可能な「メカニズム・デザイン」を中心に学びます。ミクロ経済学A/B(または企業と経済・応用),現代経済学応用A,数学の知識,理解が前提になります。ゲーム理論の知識,理解も必要になりますが,前期「現代経済学応用A」にて講義します。
【授業の到達目標】
概念・理論の理解,その応用力
【授業の概要と方法】
毎回,テーマを示し,それの答えを導くように講義します。数回に1回,大きなテーマを対象にした練習問題を示し,演習を行います。講義・演習の繰り返しによって,理解,応用力を高めます。
【授業計画】
回 | テーマ | 内容 |
---|---|---|
1 | メカニズム・デザインの応用例 | 人材の引き抜き,企業の資材調達,ネットオークションや骨董品のオークション,公共財 |
2 | 「メカニズム」とは?それを「デザイン」するとは? | 設計目標,社会的選択関数,メッセージ,選択,ゲーム,メカニズム |
3 | いずれの設計目標ならば,実現するのか(1)表明原理 | 直接メカニズム,間接メカニズム,誘因両立性(耐戦略性),ナッシュ遂行,表明原理 |
4 | いずれの設計目標ならば,実現するのか(2)オークション | 様々なオークション,ベイジアン遂行,ヴィックリー等価定理 |
5 | 設計目標自体の設計(1)社会的厚生関数 | 社会的厚生関数,社会的選択関数,単記投票方式,ボルダ方式,コンドルセの投票のパラドックス |
6 | 設計目標自体の設計(2)アローの不可能性定理 | 定義域の非限定性,パレート原理,非独裁,無関係選択肢からの独立性,不可能性定理 |
7 | 合理的な社会的選択関数と支配戦略遂行 | 社会的厚生関数,社会的選択関数,合理性,支配戦略遂行 |
8 | 支配戦略遂行と耐戦略性 | 支配戦略遂行,ナッシュ遂行,耐戦略性,賦課制,独裁制,帰結数2,定義域の制限 |
9 | ナッシュ遂行(1)表明原理 | 表明原理 |
10 | ナッシュ遂行(2)マスキン単調性 | ソロモン王の知恵,マスキン単調性 |
11 | 公共財の最適供給(1)効率性 | 公共財,サミュエルソン条件,フリーライダー問題 |
12 | 公共財の最適供給(2)VCGメカニズム | クラークメカニズム,ピボタル・メカニズム,VCGメカニズム,赤字予算 |
13 | 公共財の最適供給(3)GLメカニズム | GLメカニズム,個人合理性 |
14 | ハーヴィッツの定理 | エッジワース・ボックス,交換経済,ハーヴィッツの定理 |
15 | 期末試験 | 試験 |
【授業外に行うべき学習活動(準備学習等)】
参考書指定箇所の予習,練習問題の解答
【テキスト】
指定なし
【参考書】
奥山利幸『ミクロ経済学」(白桃書房)
*但し,15章,16章,9章,17章のすべてと2章,3章,5章,6章の各一部
【成績評価基準】
課題50点,期末試験50点(概念・理論の理解80点,応用力20点)
【学生による授業改善アンケートからの気づき】
新規担当につき該当なし