マクロ経済学:第21回講義ノート

2012年10月23日 火・1[新]マクロ経済学B[旧]現代経済学応用B

後期第6回 古典派 vs. ケインジアン:フィリップス曲線(1)

<今日の内容>
1 フィリップス曲線
2 フィリップス曲線のモデル

1 フィリップス曲線

●W. フィリップス (1958)
A. W. H. Phillips (1958), "The Relation between Unemployment and the Rate of Change of Money Wage Rates in the United Kingdom, 1861-1957," Economica, NS 25, no. 2, pp.283-99.
(1) 1861〜1957の英国データ
(2) 名目賃金率上昇率 vs. 失業率 ⇒ トレード・オフ

日本のフィリップス曲線:インフレ率 vs. 完全失業率,1956年度〜2010年度

インフレ率 vs. 失業率
インフレ率,失業率:時系列
※インフレ率=GDPデフレータ上昇率,内閣府「国民経済計算(GDP統計)」
 完全失業率:年度平均,総務省統計局「労働力調査 長期時系列データ」

2 フィリップス曲線のモデル

「修正フィリップス曲線」

 Δw/w = πe - β(u - uN)
  w:名目賃金率
  πe:期待インフレ率
  u:失業率

インフレ率 vs. 失業率

 π = πe - β(u - uN)
  π:インフレ率

●自然失業率
Cf. "NAIRU",「インフレ非加速的失業率」
(Non-Accelerating Inflation Rate of Unemployment)

インフレ率 vs. 実質GDP

●オークンの法則 (Okun's Law)
 (Y − YF)/YF = − γ(u − uN)

∴ π = πe + b(Y - YF)

物価水準 vs. 実質GDP:「ルーカス型総供給曲線」

 log P = log Pe + α(log Y - log YF)

●貨幣錯覚(Money Illusion)