日本経済論:第3回講義ノート
2012年4月30日 月・3
第3回 日本の経済成長と短期変動(2)
<今日の内容>
〜 トレンドを見抜く 〜
1 1956年度から2010年度までの日本経済成長:全体平均
2 大まか区分けとその妥当性
3 なにがトレンドを変えたのか?
4 さらなる細分化の可能性
5 経済成長率のトレンドの決定因(まとめ)
1 1956年度から2010年度までの日本経済成長:全体平均
- 全体平均 4.3%
- 最低 -3.7%
- 最高 11.7%
- 標準偏差 3.8%
2 大まか区分けとその妥当性
●log 実質GDP
固定基準方式:1990年価格表示と2005年価格表示
●全体に対する線形近似
■Q. 線形近似とは?R2とは?
<留意点> → 「計量経済学」
・t 検定の必要性
・自己相関の可能性
●高度成長期の線形近似
●安定成長期の線形近似
●バブル崩壊以降(リーマン・ショック以前)の線形近似
●トレンド:全体平均 vs. 3区分後
3 なにがトレンドを変えたのか?
- 1971年~1973年の出来事
- 1971年 8月 ニクソン・ショック
12月 1ドル360円から1ドル308円 - 1973年 2月 変動相場制に移行
12月 第1次石油危機
- 1971年 8月 ニクソン・ショック
- バブル期の遺産
4 さらなる細分化の可能性
- 71年12月〜73年2月or10月は?
- 安定成長期は?
- 出来事チェック
- 1979 第2次石油危機
- 1985 4月 電電公社,専売公社,民営化
9月 プラザ合意 - 1986 2月 外国証券6社 東証会員に
4月 男女雇用機会均等法 - 1987 2月 NTT株上場
4月 国鉄民営化
10月 ブラック・マンデー
11月 JAL民営化
- 出来事チェック
- 決定係数 R2 が最も低い期間:バブル崩壊〜リーマン・ショックまでは?
- 出来事チェック
- 1994〜1998 金融の自由化
- 1995 阪神・淡路大震災
- 1997 アジア通貨危機
- 1998 長野オリンピック
- 1999(1995)〜2000 ITバブル
- 2001〜2006 小泉構造改革
- 2001 9.11同時多発テロ
- 2004 営団地下鉄,民営化
- 2007 郵政民営化
- 出来事チェック
■Q. 2002年からトレンドが変化したとしたら,その要因は?
●トレンド:全体平均,3区分,細分化
5 経済成長率のトレンドの決定因(まとめ)
- 構造的変化
- 制度変更
- 長期的調整を必要とする出来事