企業と経済・応用:第26回講義ノート

市場の失敗(2):公共財 (2011/12/5)

[今日の内容]
1 市場の失敗
2 私的財 vs. 公共財
3 非競合性をもつ場合
[キーワード]
市場の失敗,消費の非競合性,混雑費用,等量消費,消費の非排除性,排除費用,フリーライダー(ただ乗り)問題,純粋公共財,準公共財,公共財,私的財,サミュエルソン条件,リンダール均衡,受益者負担の原則(応益原則)
[教科書 & 関連練習問題]
第9章 & 問題9.1, 9.2, 9.3

1 市場の失敗

●市場の失敗
外部性 → 前回
公共財 → 今回
情報の非対称性
費用逓減

2 私的財 vs. 公共財

●混雑費用と消費の非競合性
・等量消費
●排除費用と消費の非排除性
・フリーライダー(ただ乗り)問題
●私的財 vs. 公共財
・純粋公共財
・準公共財
・私的財

[例題26.1]教科書 問題9.1を解いてみよう。

3 非競合性をもつ場合

[例26.1]教科書 9章,例9.1

■Q1. 私的財と公共財では,所得分配がパレート効率になる条件は異なるのであろうか。
■Q2. 異なるとすれば,市場は効率性を確保する力を持ち合わせているのであろうか。

3.1 効率性の1階条件:サミュエルソン条件

[ファクト26.1]非競合性をもつ商品の総余剰最大化の条件:サミュエルソン条件 (教科書 9章,ファクト9.2)
  需要価格の総和 = 限界費用

■Q. 均等料金では,駄目なの?

3.2 リンダール均衡
●条件1:各消費者,消費額のある比率を負担
 但し,比率合計は100%
●条件2:各主体,各々の余剰,最大化 → 主体的均衡


 結果1:受益者負担の原則(応益原則)
 結果2:総余剰最大(効率的)