現代経済学基礎:第6回講義ノート

2014年5月14日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎

マクロ経済学 (2):「有効需要の原理」vs.「セイ法則」

[今日の内容]
1 有効需要の原理 vs. セイ法則
2 「有効需要の原理」の下でのGDP水準の決定:ケインジアンの理論
[今日の問題意識]
GDPの水準は,どのように決まるのであろうか?
[キーワード]
需要,供給,需給均衡,需給バランス,有効需要の原理,セイ法則,総需要,総供給,意図せざる在庫投資

1 有効需要の原理 vs. セイ法則

●有効需要の原理

●セイ法則

[例6.1]主体:企業A(農産物),企業B(建物),消費者
 企業A:建物 20単位 「欲しい」
 消費者:建物 30単位 「欲しい」
 消費者:農産物 所得の8割 「欲しい」
 企業A:300単位 「売りたい」
 企業B:200単位 「売りたい」

■Q. 「需要」は?「供給」は?

●総需要($E$)
 $E := C + I$
 $C$:需要としての民間消費の大きさ
 $I$:需要としての民間投資の大きさ

●総供給($Y$)
[注意]「所得分配面のGDP」との等価 ⇒ $Y =$ 総所得

●需給均衡(需給バランス)

■Q. 需給が均衡していないとき,何が変化するのであろうか?いつ,$E = Y$ になるのであろうか?
■Q. GDP水準は,「有効需要の原理」を想定した場合と,「セイ法則」を想定した場合とでは,決まり方や大きさを左右する要因が異なるのであろうか?

2 「有効需要の原理」の下でのGDP水準の決定:ケインジアンの理論

●意図せざる在庫投資

プロセス $Y$  $C$  $I$  $E$  $Y-E$ 
5004005045050
4503605041040


図6.1

●均衡GDP水準(均衡国民所得水準)

■Q. 例6.1の場合,均衡GDP水準は,「有効需要の原理」を想定した場合,いくらになるであろうか。