現代経済学基礎:第14回講義ノート
2014年7月16日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎
マクロ経済学 (10):80年代以降の古典派「ニュー・クラシカル」と消費関数 (1)
- [今日の内容]
- 1 80年代以降の古典派:「ニュー・クラシカル」
-
2 ニュー・クラシカルの消費理論
2.1 消費者の選択
2.2 ライフ・サイクル仮説
2.3 恒常所得仮説
- [今日の問題意識]
- ケインズ型消費関数では,将来の増税を意味する現在の財政発動や減税に対し,消費者は近視眼的になっている。近視眼的ではない消費者の場合,消費関数は,どのようになるのであろうか。
- [キーワード]
- 近視眼的,前向き予測,合理的期待形成,予算制約式,生涯効用,最適消費計画,ライフ・サイクル仮説,恒常所得仮説
1 80年代以降の古典派:「ニュー・クラシカル (New Classical)」
- 合理的期待 (Rational Expectations) 形成
- 前向き予測(Forward Looking)
- 消費者:生涯所得予算制約内期待生涯効用最大化
- ライフ・サイクル仮説
- 恒常所得仮説
- 生産者:利潤最大化
- 市場:価格メカニズム
2 ニュー・クラシカルの消費理論
2.1 消費者の選択
●予算制約式
$c_t + a_{t+1} = (1+r_t)a_t + w_t$
$c_t$:$t$期の消費
$a_t$:$t$期首の純資産
$w_t$:$t$期の労働所得
$r_t$:$t$期の利子率
[ノート]
(1) すべて実質
(2) $r$を除き,すべて,一人当たり
[ノート]$t$期の実質所得
$y_t = r_t a_t + w_t$
∴
$a_{t+1} - a_t = t$期の実質貯蓄
●行動仮説
●最適消費計画
2.2 ライフ・サイクル仮説
- 1950年代:F. モジリアーニ(Franco Modigliani)⇒ 1985年ノーベル経済学賞
【考えてみよう!】
現在を1期として,$R$期まで働き,$N$期末に一生を終えると予測。$R$期まで$y$で一定の実質所得を得られるとしたとき,生涯を通じて安定的に消費するには?
2.3 恒常所得仮説
- 1950年代:M. フリードマン(Milton Friedman) ⇒ 1976年ノーベル経済学賞
●恒常所得(Permanent Income)
●変動所得(Transitory Income)
$t$期の実質所得:
$y_t = y_t^P + y_t^T$
$y_t^P$:$t$期の恒常所得
$y_t^T$:$t$期の変動所得
●消費の恒常所得仮説