現代経済学基礎:第15回講義ノート

2014年7月23日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎

マクロ経済学 (11):80年代以降の古典派「ニュー・クラシカル」と消費関数 (2)

[今日の内容]
1 リカード・バローの等価定理
2 前向き予測と減税の効果
3 スムースな消費とランダム・ウォーク仮説
[今日の問題意識]
ケインズ型消費関数では,将来の増税を意味する現在の財政発動や減税に対し,消費者は近視眼的になっている。近視眼的ではない消費者の場合,消費関数は,どのようになるのであろうか。
[キーワード]
リカード・バローの等価定理,滑らかな消費,ランダム・ウォーク

1 リカード・バローの等価定理

[ファクト15.1]リカード・バローの等価定理
政府が財政支出の増加を公債発行で賄ったときも,増税で賄ったときも,前向き予測の消費者は,同じ選択をする。

<証明>ライフサイクル仮説を使った証明

2 前向き予測と減税の効果

[ファクト15.2]前向き予測の消費者は,公債発行を原資とした減税に対し,消費を変えない。

<証明>ライフサイクル仮説を使った証明

3 スムースな消費とランダム・ウォーク仮説

●滑らか(スムース)な消費 (Smooth Consumption)

●ランダム・ウォーク (Random Walk)

日本の場合

個人消費
c = 国内家計最終消費支出(実質)/日本人人口男女計
[出所]内閣府『国民経済計算(GDP統計)』,総務省『人口推計』