現代経済学基礎:第16回講義ノート

2014年9月17日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎

ミクロ経済学 (1)「ミクロ経済学」の問題意識と体系

[今日の内容]
1 「ミクロ経済学」の問題意識
 1.1 「マクロ経済学」vs.「ミクロ経済学」
 1.2 ミクロ経済学の対象現象
2 「ミクロ経済学」の体系
[今日の問題意識]
「ミクロ経済学」とは?「マクロ経済学」との差異は?「ミクロ経済学」は,どのような経済現象を解明しようとするのであろうか?
[キーワード]
ミクロ経済学,消費者(家計),生産者(企業),相対価格,価格比,需要曲線,市場需要曲線,市場供給曲線,資源配分,取引価格,交換の利益,所得分配,経済厚生,市場の機能・効能

1 「ミクロ経済学」の問題意識

1.1 「マクロ経済学」vs.「ミクロ経済学」

【復習】第4回講義より

1.2 ミクロ経済学の対象現象

【考えてみよう!】
日々,お昼ご飯をどのようにしてとるかを考えているサラリーマン・OLを想像しよう。ある月の一週間,あるコンビニでお弁当全品100円引きセールを実施したという。コンビニのお弁当の購入回数を,その週,あるいはその月は,増やすであろうか。時々訪れるレストランのランチセットへの購入回数には,どのような影響があるであろうか。

[例16.1](奥山,練習問題2.3) ある特定の仕事について,A社,B社,C社がそれぞれ月1人分を新規雇用したいとする (1名を超える雇用は売上増にはならないとする)。新規雇用による各社の売上増は,次の通り。
 A社:55万円,B社:40万円,C社:25万円
この仕事に対し,次の3人が就職を希望している。各々は,この仕事に就かないときに,他の仕事で次の月給を稼得できる。
 Tさん:10万円,Uさん:20万円,Vさん:30万円

■Q1.月給の相場に対し,いずれの企業が雇用しようとするであろうか。
■Q2.月給の相場に対し,だれが就活するであろうか。
■Q3.「市場」であれば,だれが,いずれの企業に雇用されて行くのであろうか。
■Q4.そのときの月給は,いくらになるのであろうか。
■Q5.市場取引によって,各主体は,いくら改善するのであろうか。関係者全員が受け取れる総額は,最大であろうか。
■Q6.市場取引に参加しない主体は,現れないのであろうか。もし現れるとすれば,全員が取引に参加できる市場取引以外の資源配分の仕組みは,存在しないのであろうか。
■Q7.その方法は,市場取引よりも優れた効能をもたらすのであろうか。市場取引ではなく,政府がその方法を実施した場合は,どうであろうか。政府が,市場がもたらす効能以上を発揮できるのであろうか?政府の経済上の役割は?

2 「ミクロ経済学」の体系