現代経済学基礎:第22回講義ノート

2014年10月29日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎

ミクロ経済学 (7):生産者 (3) 単位当たり費用とその構造

[今日の内容]
1 前回「例題21.1」の解答
2 平均費用
3 限界費用
4 例題
[今日の問題意識]
■単位当たり費用の構造
[キーワード]
平均総費用,平均可変費用,平均固定費用,限界費用

1 前回「例題21.1」の解答

2 平均費用

●平均総費用(Average Total Cost, ATC)

●平均可変費用(Average Variable Cost, AVC)

●平均固定費用(Average Fixed Cost, AFC)

[ファクト22.1]
  ATC = AVC + AFC

[例22.1]ある工場があり,労働量を L(人/1か月),生産量を y(トン/1か月)としたとき,技術的関係がつぎで表される企業を考えよう。
  L 0 2 3 4 6 9 13 18 24・・・
  y 0 1 2 3 4 5  6  7  8・・・
賃金は1人月20万円,工場のレンタル・コストは月300万円である。工場の規模は1ヶ月の間で変更できないが,労働量は変更できるものとする。

【考えてみよう!】
(1) 可変的生産要素,固定的生産要素は,何になるであろうか。
(2) 総費用,可変費用,固定費用を求めてみよう!
  L  0 2 3 4 6 9 13 18 24・・・
  y  0 1 2 3 4 5  6  7  8・・・
  FC
  VC
  TC
(3) 平均可変費用曲線,平均総費用曲線を図示してみよう!
  y   0 1 2 3 4 5  6  7  8・・・
  AVC
  ATC

3 限界費用

●限界費用(Marginal Cost, MC)

[ファクト22.2]ATC, AVC, MC の関係
(1) ATCの最小となる生産量で ATC = MC
(2) AVCの最小となる生産量で AVC = MC
(3) 生産量ゼロで AVC = MC

【確認してみよう!】
例22.1の工場の限界費用曲線を図示して,例22.1の工場において,ファクト22.2が成り立つか否か,確認してみよう!
  y  0 1 2 3 4 5  6  7  8・・・
  MC

4 例題

[例題22.1]自営リンゴ農家
・リンゴの木:15本所有
・リンゴの木:レンタル・コスト=年間16.8万円/1本
・労働の機会費用:年間210万円/1単位
・技術的関係(労働:年間 L 単位 vs. 生産量:年間 y トン)
  L 0 1 1.5 2 3 5 8 12 17 ・・・
  y 0 1  2 3 4 5 6  7  8 ・・・
以下の表を完成させよ。
  y  0  1  2  3  4  5  6  7  8 ・・・
  FC
  VC
  TC
  AVC
  ATC
  MC