マクロ経済学:第10回講義ノート
2012年6月19日 火・1[新]マクロ経済学A[旧]現代経済学応用A
第10回 マネーサプライの概念と金融政策
<今日の内容>
1 今日の問題意識
2 マネーサプライの定義と金融政策
2.1 マネーサプライの概念
2.2 日銀のバランスシートと金融政策の手段
2.3 信用創造
1 今日の問題意識
[前回]マネーサプライ(名目貨幣供給量,M
)が増加すると,金融市場の均衡を通じて,市場利子率(i
)は下落
■Q.金融市場の中の貨幣市場の「貨幣」とは?「マネーサプライ」とは?その変化は,いつ?
2 マネーサプライの定義と金融政策
2.1 マネーサプライの概念
[資料]日銀『「マネーストック」の解説』
●M1
●M2
●M3
[モデル化]
CC + DP = M
CC:現金発効残高, DP:民間預金残高
2.2 日銀のバランスシートと金融政策の手段
●日本銀行 → 日本銀行法
(目的)
第一条 日本銀行は、我が国の中央銀行として、銀行券を発行するとともに、通貨及び金融の調節を行うことを目的とする。
2 日本銀行は、前項に規定するもののほか、銀行その他の金融機関の間で行われる資金決済の円滑の確保を図り、もって信用秩序の維持に資することを目的とする。
(通貨及び金融の調節の理念)
第二条 日本銀行は、通貨及び金融の調節を行うに当たっては、物価の安定を図ることを通じて国民経済の健全な発展に資することをもって、その理念とする。
(資本金)
第八条 日本銀行の資本金は、政府及び政府以外の者からの出資による一億円とする。
2 前項の日本銀行の資本金のうち政府からの出資の額は、五千五百万円を下回ってはならない。
(通常業務)
第三十三条 日本銀行は、第一条の目的を達成するため、次に掲げる業務を行うことができる。
一 商業手形その他の手形の割引
二 手形、国債その他の有価証券又は電子記録債権を担保とする貸付け
三 商業手形その他の手形(日本銀行の振出しに係るものを含む。)、国債その他の債券又は電子記録債権の売買
四 金銭を担保とする国債その他の債券の貸借
五 預り金
六 内国為替取引
七 有価証券その他の財産権に係る証券又は証書の保護預り
八 地金銀の売買その他前各号の業務に付随する業務
2 前項第五号の「預り金」とは、預金契約に基づいて行う預金の受入れをいう。
●基準割引率,基準貸付利率(公定歩合)とその操作
[資料1]日銀公表資料
[資料2]日銀統計「金利」
●公開市場操作
・買いオペレーション
・売りオペレーション
[資料1]日銀オペレーションデータ
[資料2]日銀金融調節データ(実績)
●法定準備率操作
[資料1]日銀「準備預金制度とは何ですか?」
[資料2]日銀法定準備率データ
●マネタリーベース
[資料1]日銀「マネタリーベースの解説」
[資料2]日銀マネタリーベース統計
●日銀のバランスシートと金融政策
CC + RE = H
H
:マネタリベース(ハイパワード・マネー)
RE
:預け金(支払準備金)
re = RE/DP
:法定準備率
2.3 信用創造
[ファクト10.1]マネタリーベース(H)と名目マネーサプライ(M)の関係は,
法定準備率:re,現金預金比率:cc
とすれば,
M = {(1 + cc)/(cc + re)}H
●通貨乗数(信用創造乗数)
ΔM/ΔH = (1 + cc)/(cc + re)