マクロ経済学:第13回講義ノート
2012年7月10日 火・1[新]マクロ経済学A[旧]現代経済学応用A
第13回 IS-LM分析 (3) 金融政策の効果
<今日の内容>
1 今日の問題意識
2 金融政策とLM曲線のシフト
3 IS曲線の勾配の決定因と金融政策の効果
3.1 IS曲線の勾配の決定因
3.2 金融政策の効果:投資の利子弾力性がゼロのケース
4 財政・金融政策の効果:まとめ
1 今日の問題意識
■Q.生産物市場と金融市場(債券市場,貨幣市場)の間の相互作用を考えたとき,金融政策の効果は?金融政策が景気変動に有効なとき,無効なときは?
2 金融政策とLM曲線のシフト
[ファクト13.1]
LM曲線は,実質貨幣供給量 M/P が増加すると,右方シフトする。
●流動性の罠
⇒ 金融政策無効,財政政策のみ有効
3 IS曲線の勾配の決定因と金融政策の効果
3.1 IS曲線の勾配の決定因
[ファクト13.2]IS曲線の勾配は,次の変化によって緩やかとなる。
(a) 投資乗数の上昇
(b) 投資の利子弾力性の上昇
3.2 金融政策の効果:投資の利子弾力性,または投資乗数がゼロのケース
[ファクト13.3]投資の利子弾力性,または投資乗数がゼロの場合,金融政策は景気変動に無効。
4 財政・金融政策の効果:まとめ
財政政策 | 金融政策 | |
流動性の罠 | ○ クラウディング・アウトなし | × |
貨幣需要の利子弾力性ゼロ | × 完全なクラウディング・アウト | ○ 名目GDP,マネーサプライが決定 |
投資の利子弾力性 or 投資乗数 ゼロ | ○ | × |