ミクロ経済学:第13回講義ノート

2014年7月8日 火・3[新]ミクロ経済学A[旧]現代経済学応用A

消費者 (6) 代替効果,所得効果 (2)

[今回の内容]
1 補償需要曲線
2 スルツキー方程式
3 ギッフェン財の決定要因
4 交差効果【粗代替財】【粗補完財】の決定要因
[今日の問題意識]
ギッフェン財は,どのような性質をもつ財なのであろうか。裏返せば,需要の法則が成り立つ条件は?
(1) 代替効果の決定要因は?
(2) 所得効果の決定要因は?
[キーワード]
補償需要,支出最小化問題,代替財,補完財,スルツキー方程式,ギッフェン財,粗代替財,粗補完財
[参考書]
奥山 3章 3.5.3, 3.6.1, 3.7.1

1 補償需要曲線

【考えてみよう!】
代替効果のみを表す価格対需要量の関係は,どのような行動仮説に基づくのであろうか?

●補償需要関数

●補償需要

[ファクト13.1]補償需要曲線は,右上がりになることはない。

●代替財 vs. 補完財

【復習】粗代替財 vs. 粗補完財

[ファクト13.2]商品が2つの場合,いずれの商品も他方の補完財になることはない。

2 スルツキー方程式

[ファクト13.3]
 普通需要曲線の勾配=補償需要曲線の勾配+所得効果

3 ギッフェン財の決定要因

[ファクト13.4]商品Xがギッフェン財であることの必要十分条件は,
 (A) 商品Xは下級財であり,かつ,
 (B) 商品Xの価格上昇における負の代替効果より正の所得効果が大きい

4 交差効果【粗代替財】【粗補完財】の決定要因

【考えてみよう!】
ファクト13.2より,商品が2つのみであれば,互いに補完財ではない。ならば,粗補完財は,存在しない?