企業と経済・応用:第2回講義ノート

市場の機能と政府の役割:部分均衡分析 (1) (2011/4/18)

[今日の問題意識]
例1.1 (第1回講義)
・主体の選択
■Q. 月給の相場があったとき,各企業は何人雇用しようとするか。 → 需要曲線
■Q. また,TさんやUさんは,A社やB社への就職を希望するであろうか。 → 供給曲線
■Q. 一般に,買手の選択,売手の選択には,どのような原理が成り立つのであろうか。
・市場均衡 → Q1, Q2 (次回)
・経済厚生 → Q3−Q7 (次々回)
■Q.需要曲線,供給曲線とは?
■Q.それらは,主体の意思決定とどのように関係しているのであろうか。
[今日の内容]
1 需要曲線,供給曲線の概念
2 買手の意思決定と需要曲線
  2.1 簡単な例から
  2.2 買手の選択理論
[キーワード]
需要曲線,供給曲線,効用水準,需要価格,限界効用,限界効用曲線,取引便益,市場価格,取引費用,費用,取引利益,余剰,余剰最大化,余剰最大化の1階条件,便益,限界便益,限界費用
[教科書]
第2章2.1, 2.2
[関連練習問題]
教科書 問題2.2(1)-(3) (第2章, pp. 41-42)

1 需要曲線,供給曲線の概念

●需要曲線 (Demand Curve)

●供給曲線 (Supply Curve)

2 買手の意思決定と需要曲線

2.1 簡単な例から

[例2.1](教科書 例2.2, p. 20) 一郎さんは,リンゴを 1 kg 購入するのであれば 280 円まで支払っても良いが,2 kg 購入するのであれば 1 kg 当たり 190 円,3 kg 購入するのであれば 1 kg 当たり 115 円までしか支払う用意がない。

●需要価格

[仮定2.1]効用水準は,金銭と1対1で対応している。
(この仮定に基づかない需要分析,供給分析 → 第5回以降)

●効用

●限界効用 (Marginal Utility, MU) と限界効用曲線

[例題2.1]例2.1において,リンゴの市場価格が 1 kg 150円であったとしよう。リンゴを x kg 購入しようとすれば,いくらの効用を失うか。

●取引費用(単に,費用)

●取引便益(単に,便益)

●余剰(Surplus)

[ファクト2.1]余剰最大化の1階条件 (教科書 ファクト2.3, p. 23)
買手が余剰を最大化すれば,
  需要価格 = 市場価格
 (限界効用 = 市場価格)

●需要曲線

2.2 買手の選択理論

■Q. 一般的,買手の選択を理論化すれば,どのように表現できるか。

●便益
取引量 x に対する便益 v(x)
●費用
取引量 x に対する費用 C(x)

[例題2.2]次の各ケースについて,v(x),C(x) をグラフ化しなさい。
・例2.1 の一郎さん
・例1.1 (第1回講義) のA社
 但し,月給の相場を1ヶ月 w 万円,1ヶ月当たりの雇用日数比を x とする。
  (例:1ヶ月20日間勤務として8日分の労働量を取引する場合,x = 0.4)

●主体の余剰
余剰 = v(x) − C(x)
●限界便益
●限界費用 (Marginal Cost, MC)

[ファクト2.2]余剰最大化の1階条件 (教科書 問題2.5)
   v'(x) = C'(C)
   限界便益 = 限界費用

[例題2.3]この結果(ファクト2.2)とファクト2.1を比較しなさい。特に,一郎さんの場合,限界便益は何に相当し,限界費用は何に相当するのか,説明しなさい。