企業と経済・応用:第11回講義ノート

消費者 (5) 価格変化の効果:代替効果,所得効果 (2011/6/27)

[今日の問題意識]
■Q. ギッフェン財は,理論的には,存在するのであろうか。裏返せば,需要の法則は,いつ成り立つのであろうか。
[今日の内容]
1 代替効果,所得効果
2 補償需要曲線
3 スルツキー方程式
[キーワード]
補償変分,代替効果,所得効果,補償需要関数,スルツキ―方程式,代替財,補完財
[教科書]
第3章 3.5.3, 3.6.1, 3.7.1
[関連練習問題]
教科書 3章末 問題3.2, 3.6, 3.7, 3.8, 3.14
本講義ノート末 復習問題11.1, 11.2

1 代替効果,所得効果

px の上昇の効果(復習)

■Q. 価格変化以前の効用を維持するには,いくらの所得を補償すれば良いであろうか。

●補償変分

■Q. 価格変化以前の選択から,所得補償後の消費計画への移動は,どのように特徴化できるであろうか。

●代替効果

■Q. 所得補償後の消費計画から価格変化後の選択への移動は,どのように特徴化できるであろうか。

●所得効果
 上級財
 下級財

2 補償需要関数

■Q. 代替効果のみを表現する需要関数は,存在するのであろうか。

●補償需要関数

■Q. 補償需要関数は,何かしらの行動仮説によって表現できるのであろうか。

●所与の効用水準の下で支出最小化

3 スルツキー方程式

・普通需要曲線と補償需要曲線の関係
 普通需要曲線の勾配=補償需要曲線の勾配+所得効果

3.1 ギッフェン財の決定要因

・補償需要曲線の勾配

・所得効果の決定因

[ファクト11.1]商品Xがギッフェン財であることの必要十分条件は,
 (A) 商品Xは下級財であり,かつ,
 (B) 商品Xの価格上昇における負の代替効果が正の所得効果より小さい

3.2 交叉効果(粗代替財,粗補完材)の決定要因

●代替財
●補完財
 → 交叉補償需要曲線の勾配

YのXに対する
交叉補償需要
代替効果
所得効果YのXに対する
交叉普通需要
全体効果
代替財: +上級財: -?
代替財: +下級財: +YがXに対し粗代替財
補完財: -上級財: -YがXに対し粗補完財
補完財: -下級財: +?

[復習問題11.1]商品Xがギッフェン財のとき,つぎの3つの関係を図示しなさい。
 (A) 価格消費曲線
 (B) 普通需要曲線
 (C) 補償需要曲線

[復習問題11.2]普通需要曲線の勾配が,補償需要曲線の勾配より大きいとき,その財は下級財である。正否を論じなさい。