企業と経済・応用:第10回講義ノート

消費者 (4) 所得変化,価格変化の効果 (2011/6/20)

[今日の問題意識]
■Q. 予算 I の変化は,選択にどのような影響があるか。価格 pXpY が変化した場合は,どうであろうか。また,それには,何かしらの法則があるのであろうか。
[今日の内容]
1 所得変化の効果
2 価格変化の効果
[キーワード]
所得消費曲線,エンゲル曲線,上級財(正常財),下級財(劣等財),価格消費曲線,普通需要曲線,需要の法則,ギッフェン財,交叉需要曲線,粗代替財,粗補完財
[教科書]
第3章 3.5.1, 3.5.2
[関連練習問題]
教科書 3章末 問題3.2((5)を除く), 3.5, 3.7
本講義ノート末 復習問題10.1,発展問題10.1

1 所得変化の効果

■Q. 予算 I が増えれば,各商品の需要量は増加するのであろうか。

I の各値 vs 最適消費計画の変化
I の各値 vs 各財の需要量の変化

●所得消費曲線

●エンゲル曲線

●上級財(正常財)

●下級財(劣等財)

2 価格変化の効果

pX の上昇 vs 最適消費計画の変化
pX の上昇 vs 各財の需要量の変化

●価格消費曲線

●普通需要曲線

●交叉需要曲線

●需要の法則 vs ギッフェン財

●財Yが財Xに対し粗代替(粗補完)財
 粗代替:pX 上昇 => 財Yの需要量 増加
 粗補完:pX 上昇 => 財Yの需要量 減少

[例題10.1]例題9.2(前回講義)の効用関数において,例題9.1(前回講義)の価格,予算のときに,次を描きなさい。
(1) 所得消費曲線,カレーのエンゲル曲線
(2) カレーの価格消費曲線,カレーの普通需要曲線,カレーの市場価格に対するライスの交叉需要曲線
この結果,カレーは,その消費者にとって上級財,下級財のいずれといえるであろうか。また,ライスはカレーの粗代替財,粗補完財のいずれといえるであろうか。

[復習問題10.1](教科書 3章末 問題3.2 + α)
カレー専門店のカレーとライスについて,Aさん,Bさんの各々の選好がつぎの効用関数で表されるとしよう。
 Aさん: U = x + y
 Bさん: U = min{3x,2y}
カレーが1スクープ450円,ライスが1スクープ300円で売られているとき,各消費者についてつぎを求めよ。
(1) 無差別曲線群
(2) 所得消費曲線
(3) カレーのエンゲル曲線
(4) カレーが下級財となる I の範囲
(5) 予算が900円のときのカレーの価格消費曲線
(6) 予算が900円のときのカレーの普通需要曲線
(7) カレーはギッフェン財になるか否か
(8) カレーの市場価格に対するライスの交叉需要曲線
(9) ライスがカレーに対し粗代替財となるか否か

[発展問題10.1]
(1) 財Xが下級財となる場合の所得消費曲線を図示しなさい。
(2) 財X,財Yの2財があったとき,財Xがギッフェン財となるときの価格消費曲線を図示しなさい。