現代経済学基礎:第12回講義ノート
2014年7月2日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎
マクロ経済学 (8):財政と景気 (3)
- [今日の内容]
- 1 財政発動とその原資
- 2 公債発行を原資とする財政発動
- 3 増税を原資とする財政発動
- 4 考察
- [今日の問題意識]
-
「有効需要の原理」を想定したとき,政府の介入・財政と景気の関係は,どのようになっているのであろうか。
(1) 政府支出の増加の効果
(2) 公債発行 vs. 増税
- [キーワード]
- 公債発行,増税,政府支出乗数(財政支出乗数),均衡予算乗数定理(均衡財政乗数定理)
1 財政発動とその原資
●財政政策【復習】
●財政赤字【復習】
【考えてみよう!】
景気対策と銘打って10兆円規模の財政発動を政府が実施するときに,政府は,10兆円の資金をどのようにして用意しているのであろうか,考えてみよう!
●増税
●公債発行
【平成24年度一般会計(決算値)】第10回講義より再掲
*財務省「平成24年度決算」より
●政府支出乗数(財政支出乗数)
2 公債発行を原資とする財政発動
[ファクト12.1]公債発行を原資とする政府支出乗数
$\frac{1}{1-b(1-t)}$ $b$:限界消費性向,$t$:税率
3 増税を原資とする財政発動
[ファクト12.2](均衡予算乗数定理,均衡財政乗数定理)増税を原資とする政府支出乗数は,
$\frac{1-b}{1-b(1-t)}$
であり,最大で 1 である。
4 考察
【考えてみよう!】
・前回講義【求めてみよう!】の閉鎖経済
・「有効需要の原理」と「」を想定
・$\Delta G = 16$
[政策1]財政赤字が発生する場合には公債発行にて資金融通
[政策2]16単位の増税を実施して,その資金を$\Delta G$に充当
◆Q. 景気は,どの程度,浮揚するであろうか。財政赤字は?
政府支出乗数 | $\Delta Y$ | $Y$ | $G$ | $T$ | $G−T$ | |
政策1 | ||||||
政策2 |