現代経済学基礎:第20回講義ノート
2014年10月15日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎
ミクロ経済学 (5):生産者 (1) 技術の構造
- [今日の内容]
- 1 前回「例題19.1」の解答・解説
- 2 生産者の理論:問題意識
- 3 技術の表し方:生産曲線
- 4 生産性
- 5 例題
- [今日の問題意識]
- 消費者の理論では,エンゲル曲線や需要曲線を導出した。生産者の理論では,どのような問題意識をもちつつ,何を導き出すのであろうか。
- [キーワード]
- 生産要素(投入物),生産物(産出物),技術,生産可能性,生産曲線,平均生産性(平均生産物),限界生産性(限界生産物)
1 前回「例題19.1」の解答・解説
2 生産者の理論:問題意識
- Q1.生産技術を,どのように表現すれば良いであろうか。
- Q2.費用は,生産技術の構造とどのように関係するのであろうか。
- Q3.生産性と単位当たり費用は,どのように関係するのであろうか。
- Q4.利益を追求する場合,単位当たり費用が最小の生産量を選ぶ経営が最善なのであろうか。より一般的には,供給曲線は,どのように導かれるのであろうか。それは,費用の構造と,どのように関係するのであろうか。
3 技術の表し方:生産曲線
●生産要素(投入物)
●生産物(産出物)
●生産曲線
[例20.1]リンゴの木を10本所有しているあるリンゴ農家の年間 L単位の労働とリンゴの産出量(年間10 y kg)の技術的関係が,次の通りであったとしよう。
L 0 1 2 3 4 5 6 7
y 0 10 22 36 44 50 54 56
【考えてみよう!】
(1) 生産要素は,何であろうか。
(2) 生産物は?
(3) 生産曲線を図示してみよう!
(4) 生産可能な範囲を図示してみよう!
4 生産性
●労働の平均生産性(平均生産物)(Average Productivity of Labor, Average Product of Labor, APL)
●労働の平均生産性曲線
●労働の限界生産性(限界生産物)(Marginal Productivity of Labor, Marginal Product of Labor, MPL)
●労働の限界生産性曲線
【ファクト20.1】つぎの(1)と(2)では,
APL = MPL
が成り立つ:
(1) L → 0
(2) APLの最大値を与える労働量
【考えてみよう!】
例題20.1の農家について,
(1) 年間4単位働くときの労働の平均生産性は,いくらになるであろうか。
(2) それでは,年間4単位働くときの労働の限界生産性は,いくらになるであろうか。
(3) 労働の平均生産性曲線と労働の限界生産曲線を図示してみよう!
5 例題
[例題20.1]あるソフト・メーカーが機械を二台使ったとき,労働量(月間1日あたりL時間)に対しソフトの生産量(月あたり10y個)の技術的関係がつぎのようになっているという。
L 0 1 2 3 4 5 6 7
y 0 2 4 6 8 10 10 10
(1) 生産要素と生産物は,何になるであろうか。
(2) つぎを図示しなさい。
(a) 生産曲線
(b) 生産可能な範囲
(c) 労働の平均生産性曲線
(d) 労働の限界生産性曲線