現代経済学基礎:第25回講義ノート
2014年11月19日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎
ミクロ経済学 (10):経済厚生 (1) 厚生経済学の第1基本定理
- [今日の内容]
- 1 前回「例題24.1」の解答
- 2 今日の問題意識の確認
- 3 パレート改善とカルドアの補償原理
- 4 パレート効率性と厚生経済学の第1基本定理
- 5 例題
- [今日の問題意識]
-
【例16.1(秋学期第1回):ジョブ・マーケット】
■Q5の答えは?Q6,Q7については,どうであろうか。 - [キーワード]
- 余剰,パレート改善,一物一価の法則,カルドア改善,総余剰,カルドアの補償原理,パレート効率,厚生経済学の第1基本定理,取引費用,情報費用,交渉費用,執行費用
1 前回「例題24.1」解答
2 今日の問題意識の確認
●余剰 (Surplus)
【例16.1(秋学期第1回):ジョブ・マーケット】
・Q5の答え
・Q6の答え
【NOTE】計画・統制経済:一物一価の法則が成り立たない。
⇒ 再契約のインセンティブ=経済内部から自然発生する持続不可能要因
■Q. 市場取引 vs. 市場分断化(取引制限・数量割当・計画経済化)政策,賛成者と反対者は?その調整は?
3 パレート改善とカルドアの補償原理
●パレート改善
[例25.1]初期所得分配 → 計画経済での所得分配
A社 | B社 | C社 | Tさん | Uさん | Vさん | |
初期状態 | ||||||
計画経済 |
[例25.2]市場均衡 vs. 計画経済
A社 | B社 | C社 | Tさん | Uさん | Vさん | |
計画経済 | ||||||
市場均衡 |
●カルドア改善
●総余剰
[ファクト25.1]カルドアの補償原理
総余剰 増加 ⇒ カルドア改善
■Q. いつ,総余剰が最大?
[ファクト25.2]
総余剰が最大になるのは,つぎの条件で取引したときである。
(1) 需要価格の高い順
(2) 供給価格の低い順
(3) 需要価格 ≥ 供給価格
4 パレート効率性と厚生経済学の第1基本定理
●パレート効率性
[定理25.1]厚生経済学の第1基本定理
取引費用がなければ,市場均衡での所得分配 ⇒ パレート効率
●取引費用
・情報費用
・交渉費用
・執行費用
5 例題
[例題25.1]例題24.1(前回)について
(1) 総余剰が最大となる取引量
(2) 市場均衡での総余剰
(3) 厚生経済学の第1基本定理が成り立つか否か