現代経済学基礎:第27回講義ノート

2014年12月3日 水・1[新]現代経済学入門[旧]現代経済学基礎

ミクロ経済学 (12):政策の効果 (1)

[今日の内容]
1 前回「例題26.1」&「課題6」の解答
2 分析道具
3 課税の効果
 3.1【復習】課税のタイプと利潤最大化
 3.2 従量税の効果
4 例題
[今日の問題意識]
■Q.一括式ではない課税/補助による政府の介入は,供給曲線をシフトさせた。それは,どのような効果を生み出すのであろうか。
[キーワード]
厚生損失,超過負担,死重的損失(死荷重),消費者余剰,生産者余剰,従量税,所得移転

1 前回「例題26.1」&「課題6」解答

2 分析道具

●消費者余剰

●生産者余剰

●厚生損失

●超過負担,死重的損失(死荷重,Dead Weight Loss)

[例27.1]
・市場需要量:D (km/1日)
・市場供給量:S (km/1日)
・市場価格:p (円/km)
・市場需要曲線:D = 240 ― 3p
・市場供給曲線:S = 5p

【求めてみよう!】
例27.1について,次を求めてみよう!
(1) 市場均衡
(2) 市場均衡での総余剰,消費者余剰,生産者余剰,厚生損失
(3) 厚生経済学の第1基本定理が成り立つこと

3 課税の効果

3.1【復習】課税のタイプと利潤最大化
  利 潤  利潤最大化の1階の条件備考
課税なしファクト23.1
一括税(T円)ファクト26.1
従量税(生産量1単位当たりt円)ファクト26.2
従価税(売上に100τ%)ファクト26.3
3.2 従量税の効果

[例27.2]例27.1の産業
政府が 1km 16円を生産者に課税

〜効果〜
(1) 所得移転 (2) 生産者の選択の変化 ⇒ 供給曲線のシフト
(3) 数量減少,価格上昇
(4) 厚生損失 = 総余剰:最大ではない

4 例題

[例題27.1]市場需要曲線と市場供給曲線が,つぎで表される産業について,以下を求めなさい。
  D = 3000 - 10p  D:市場需要量,p:市場価格
  S = 20p    S:市場供給量
(1) この産業の限界費用曲線
(2) 均衡価格,均衡取引量
(3) 市場均衡での総余剰
(4) 市場均衡での総余剰の分配(消費者余剰,生産者余剰)
(5) 総余剰が最大となる取引量

[例題27.2]例題27.1の生産者に,生産量1単位当たり30円の従量税を課税したとしよう。このとき,つぎを求めなさい。
(1) 市場供給曲線
(2) 均衡価格,均衡取引量
(3) 市場均衡での総余剰
(4) 市場均衡での総余剰の分配(消費者余剰,生産者余剰,税額)
(5) 厚生損失