[法]経済原論:第21回講義ノート

市場の失敗(5):情報(3) (2011/12/1)

[今日の内容]
1 もう一つの非対称情報:モニタリング・コストと「隠れた行動」
2 プリンシパル・エージェント問題とモラル・ハザード
3 モラル・ハザードの回避法:インセンティブ・スキーム
[キーワード]
市場の失敗,情報の非対称性,私的情報,モニタリング・コスト,隠れた行動,プリンシパル・エージェント問題,努力,固定給,モラル・ハザード,歩合制,インセンティブ・スキーム,インセンティブ制約,参加条件
[教科書 & 関連練習問題]
10章 10.2 & 問題10.4

1 もう一つの非対称情報:モニタリング・コストと「隠れた行動」

[例21.1]教科書, 10章, 例10.3

●モニタリング・コスト

●隠れた行動

2 プリンシパル・エージェント問題とモラル・ハザード

[例21.2]教科書, 10章, 例10.4

収益 (R)費用
C(e)
留保賃金
(供給価格)
750万円1500万円


(e)
L0.80.250万円350万円
H0.40.6250万円

●努力 (effort)

2.1 対称情報の場合

プリンシパル,e 観察可能

■Q. あなたがプリンシパルなら,どのように報酬を決める?

2.2 非対称情報の場合

プリンシパル,e 観察不可能
 → 隠れた行動
 → 情報:非対称

・固定給の場合
 → モラル・ハザード

3 モラル・ハザードの回避法:インセンティブ・スキーム

■Q. あなたがプリンシパルなら,どのように報酬を決める?

●歩合制
 w = F + βR

[条件1]エージェント,LでなくHを選ぶ条件
 → インセンティブ制約

[条件2]条件1の下で契約する条件
 → 参加条件

・同質的なエージェントが多数の場合