現代経済学応用:第3回講義ノート

2012年4月24日 火・3[新]現代経済学応用A[旧]ミクロ経済学A

第3回 戦略形ゲーム(2)支配可解性

<今日の内容>
1 今日の問題意識
2 戦略の弱支配関係
3 弱被支配戦略の繰り返し削除と支配可解性
4 支配可解性と支配戦略均衡

1 今日の問題意識

■Q. 第2回講義練習問題2のゲームには,支配戦略均衡は存在しないが,P1のLはRを支配する。このように,戦略の支配関係によってプレイされる戦略の組を絞り込めないであろうか。

練習問題2.2
GAME EX2.2

2 戦略の弱支配関係

[定義3.1]プレイヤ i の戦略 s が他の戦略 s' を弱支配
(条件1) 他のプレイヤの戦略の各々について,プレイヤ i の戦略 s でのプレイヤ i の利得が,プレイヤ i の戦略 s' でのプレイヤ i の利得を下回らない。
(条件2) 他のプレイヤの戦略の組の少なくとも1つについて,プレイヤ i の戦略 s でのプレイヤ i の利得が,プレイヤ i の戦略 s' でのプレイヤ i の利得を上回る。

練習問題2.1
GAME EX2.1

GAME 3.2

3 弱被支配戦略の繰り返し削除

[定義3.2]
(仮説1) 弱支配される戦略を選択しないと予測
(仮説2) その予測の下で,ゲームを縮約し,縮約後のゲームに (仮説1) を予測
これらの下で,戦略の組が1つ (unique) になるとき,そのゲームは支配可解 (dominance solvable)

4 支配可解性と支配戦略均衡

[ファクト3.1]支配戦略均衡が存在すれば,
(1) そのゲームは支配可解であり,
(2) 支配戦略均衡は,弱被支配戦略の繰り返し削除によって残る戦略の組である。

■Q. 支配戦略均衡が存在したゲームは?それらのゲームでは,支配可解であろうか?
・囚人のジレンマ
・逢い引きのジレンマ
・ジャンケン
・練習問題2.1
・練習問題2.2
・例3.1