現代経済学応用:第26回講義ノート
2012年11月27日 火・3[新]現代経済学応用B[旧]ミクロ経済学B
後期第11回 メカニズム・デザイン(3) 不可能性定理
<今日の内容>
1 支配戦略遂行
1.1 メカニズム・デザインの枠組み[復習]
1.2 支配戦略遂行[復習]
1.3 表明原理
2 不可能性定理
2.1 操作可能性と耐戦略性
2.2 ギバード・サタースウェイト定理
※[参考]奥山 17章 17.1, 17.2
1 支配戦略遂行
1.1 メカニズム・デザインの枠組み[復習]
※ 前々回講義
1.2 支配戦略遂行[復習]
※ 前回講義
1.3 表明原理
[ファクト26.1]表明原理 (Revelation Principle)
所与の社会的選択関数を支配戦略遂行できる間接メカニズムが存在すれば,直接メカニズムは支配戦略遂行でき,しかもそれは誘因両立性を満たす。
※ Cf. ファクト24.1(前々回講義)
2 不可能性定理
2.1 操作可能性と耐戦略性
●操作可能性 (Manipulability) vs. 耐戦略性 (Strategy-Proofness)
⇒ 誘因両立性
[例26.1]操作可能なボルダ方式の例 (奥山 17章 例17.3)
[例26.2]耐戦略的社会的選択関数の例 (奥山 17章 例17.5)
・賦課制
・独裁制
・帰結数2の下での多数決
・帰結数3の下で定義域を制限
■Q. 帰結が3つ以上で,独裁でなく,定義域を制限せず,耐戦略的で,全射の社会的選択関数は?
2.2 ギバード・サタースウェイト定理
[定理26.1]ギバード・サタースウェイト (奥山 17章 定理17.6)
帰結数3以上,独裁でなく,定義域を制限せず,耐戦略的で,かつパレート効率な全射の社会的選択関数は,存在しない。
※ Cf. アローの不可能性定理(第5回講義)
【結果】(これまでの結果をまとめると?)
■Q. ヴィックリー・オークションでは,なぜ,買手は真の需要価格を報告したのであろうか?ギバード・サタースウェイト定理と矛盾しているのであろうか?