ミクロ経済学:第5回講義ノート
2014年5月13日 火・3[新]ミクロ経済学A[旧]現代経済学応用A
市場の機能と政府の役割:部分均衡分析 (4) 政府による価格規制・数量割当
- [今回の内容]
- 0 今日の問題意識
- 1 政府による価格規制・数量規制
1.1 価格規制
1.2 数量規制
- 2 厚生経済学の第2基本定理
- [今日の問題意識]
- 後述
- [キーワード]
- 価格規制,所得移転,数量割当ルール,闇市場,死重的損失,死荷重,消費者余剰,生産者余剰,一括式,所得再分配政策,厚生経済学の第2基本定理
- [参考書]
- 奥山 2章 2.4節 (2.4.6) & 2.5節 (2.5.1 & 2.5.2)
0 今日の問題意識
<第1回講義 例1.1 & Q4, Q5>
■Q. 厚生経済学の第1基本定理が成り立たない場合の解決方法は?
■Q. 「政府による価格規制・数量割当」は,市場取引より優れている点は存在しないのであろうか?
1 政府による価格規制・数量規制
1.1 価格規制
[効果1]所得移転の発生
[効果2]数量割当ルールの必要性
[効果3]闇市場の発生
[効果4]死重的損失の発生
●厚生損失
●死重的損失(死荷重,Deadweight Loss)
●消費者余剰
●生産者余剰
1.2 数量規制
[効果1]所得移転の発生
[効果2]数量割当ルールの必要性
[効果3]闇市場の発生
[効果4]厚生損失の発生:「死加重的損失」
2 厚生経済学の第2基本定理
<第1回講義 例1.1 & Q4, Q5>
【考察】
次の各政策について,良い点,悪い点を考えよう!
また,いずれの政策が,どのような点で,最善策といえるのか,考えよう!
[政策1]
・数量規制:市場分断化(数量割当)政策と同じ取引規制
・価格規制:市場分断化(数量割当)政策での取引当事者間の取引価格に価格を規制
●一括式(lump-sum)
[政策2]
・価格規制:市場均衡での取引価格に規制
・数量規制:市場均衡での取引に規制
・一括税
A社:13.5万円,B社:1.5万円,Tさん:9.5万円
・一括式補助金(所得移転)
C社:8万円,Vさん:3.5万円,Uさん:13万円
●所得再分配政策
[政策3]
・価格規制,数量規制:一切なし
・一括税
A社:13.5万円,B社:1.5万円,Tさん:9.5万円
・一括式補助金(所得移転)
C社:8万円,Vさん:3.5万円,Uさん:13万円
[ファクト5.1]厚生経済学の第2基本定理(参考書,2章,定理2.1)
任意のパレート効率な所得分配 ⇒ 「適切な一括式所得再分配政策+市場均衡」で実現可能