ミクロ経済学:第6回講義ノート
2014年5月20日 火・3[新]ミクロ経済学A[旧]現代経済学応用A
市場の機能と政府の役割:部分均衡分析 (5)
- [今回の内容]
- 0 分析対象の産業
- 1 課税の効果
1.1 従量税
1.2 従価税
- 2 補助金の効果
- [今日の問題意識]
- 一括式の所得再分配政策(一括税,一括式補助金による均衡予算)は,市場に歪みを与えない (Cf. 厚生経済学の第2基本定理)。それでは,
■Q. 消費税の場合は,どうなのであろうか?
■Q. 生産補助は,どうであろうか? - [キーワード]
- 従量税,従価税,補助金,厚生損失,死重的損失
- [参考書]
- 奥山 2章 2.5節 (2.5.4)
0 分析対象の産業
※ 参考書 2章末 問題2.4
1 課税の効果
1.1 従量税
■Q. 政府が 1km 16円を生産者に課税したら,何がどのように変化するであろうか。
[ファクト6.1]数量1単位当たり t円の従量税を生産者に課税。このとき,利潤最大化では,
$p = MC + t$
【従量税の効果】
(1) 生産者の選択の変化 → 供給曲線のシフト
(2) 数量減少,価格上昇
(3) 厚生損失 = 総余剰:最大ではない
1.2 従価税
■Q. 生産者の売上に10%を課税したら,何がどのように変化するであろうか。
[ファクト6.2]生産者の売上に100t%の従価税を生産者に課税。このとき,利潤最大化では,
$(1 − t)p = MC$
【従価税の効果】
(1) 生産者の選択の変化 → 供給曲線のシフト
(2) 数量減少,価格上昇
(3) 厚生損失 = 総余剰:最大ではない
2 補助金の効果
■Q. 生産者に,売上の80%の金額を補助したら,何がどのように変化するであろうか。
[ファクト6.3]生産者の売上の100s%の金額を生産者に補助。このとき,利潤最大化では,
$(1 + s)p = MC$
【生産補助の効果】
(1) 生産者の選択の変化 → 供給曲線のシフト
(2) 数量増加,価格下落
(3) 厚生損失 = 総余剰:最大ではない
【考察】
・どのように供給曲線は,シフトするであろうか。
・消費者余剰は?生産者余剰は?
・上記効果を確認してみよう!