ミクロ経済学:第8回講義ノート
2014年6月3日 火・3[新]ミクロ経済学A[旧]現代経済学応用A
消費者 (1) 消費計画と選好
- [今回の内容]
- 1 序数的効用理論に基づく消費者の効用:選好順序
- 2 選好順序と無差別曲線
- [今日の問題意識]
- 効用水準を金額で表現できないとき,より一般的には,必ずしも譲渡可能効用でないときの消費者の効用の表し方は?
- [キーワード]
- 基数的効用,序数的効用,選好順序,単調性,完備性,推移性,無差別,無差別曲線
- [参考書]
- 奥山 3章 3.1節,3.2節 (〜3.2.4)
1 序数的効用理論に基づく消費者の効用:選好順序
●序数的効用
Cf. 基数的効用
●選好順序(Preference Ordering)
■Q. 消費者の選択肢とは?
●消費計画
【考えてみよう!】
カレーの量とライスの量を自由に選べるカレー屋さんを想像しよう。商品Xをカレー(単位:スクープ),商品Yをライス(単位:スクープ)とする。
(1) つぎの消費計画を図で示してみよう!
A=(1,2) B=(3,2) C=(4,4)
(2) また,これらの消費計画に対するあなたの選好順序を考えてみよう!
●完備性(Completeness)
●推移性(Transitivity)
●単調性(Monotonicity)
2 選好順序と無差別曲線
●無差別
●無差別曲線(Indifference Curve)
【考えてみよう!】
先のカレー屋さんを想像しよう。つぎの2人の消費者について,
太郎さん:いずれも好きであるが,こだわりがまったくない
花子さん:カレーライスを好きではあるが,カレー1スクープに対しライス2スクープの比にこだわっている
(1) 消費計画 (3,2) と無差別な消費計画を図示してみよう。
(2) その消費計画からカレーを1スクープ,ライスを2スクープを増やしたときの消費計画を示し,その消費計画を通る無差別曲線を図示してみよう。
[ファクト8.1](無差別曲線の性質)完備性,推移性,単調性を仮定しよう。然らば,
(1) 各消費計画に対し,それを通る無差別曲線が存在する。
(2) 無差別曲線は,厚みを持たない。
(3) 無差別曲線は,右下がり。
(4) 2つの無差別曲線は,交わらない。