ミクロ経済学:第9回講義ノート

2014年6月10日 火・3[新]ミクロ経済学A[旧]現代経済学応用A

消費者 (2) 選好順序と効用関数

[今回の内容]
1 選好順序の実数値関数表現:効用関数
2 選好と主観的交換比率
[今日の問題意識]
選好順序が無差別曲線群となって現れるということは,選好順序自体,何かしらの関数で表現できるのではなかろうか。そうであれば,選好の単調性も,その関数から表現できるのではなかろうか。
[キーワード]
効用関数,限界効用,限界代替率,限界代替率逓減
[参考書]
奥山 3章 3.2節

1 選好順序の実数値関数表現:効用関数

●効用関数(Utility Function)
 $U = u(x,y)$

【考えてみよう!】
「無差別」を効用関数で言えば...

【効用関数の例】
(1) カレーとライス,こだわらない人(完全代替,線形効用関数)
  $u(x,y) = x + y$
(2) カレー1スクープに対し,ライス2スクープにこだわる人(完全補完,レオンチェフ型効用関数)
  $u(x,y) = \min\{2x,y\}$
(3) コブ・ダグラス型
  $u(x,y) = x^\alpha y^\beta$ ($\alpha > 0$, $\beta > 0$)

【ノート】反比例の時,無差別(=効用水準が同じ)になる人
 $\alpha = \beta$ のコブ・ダグラス型

【考えてみよう!】
効用水準で表されるということは,基数的効用になってしまうのではなかろうか,考えてみよう。

●限界効用(Marginal Utility)

【考えてみよう!】
選好の単調性は,どのように表現できるであろうか,考えてみよう。

2 選好と主観的交換比率

【考えてみよう!】
太郎さんと花子さん(前回講義)について,消費計画 (3,2) からカレーを1スクープ増やすとき,ライスを最大で何スクープあきらめる用意があるであろうか。すなわち,カレー1スクープに対するライスの主観的交換比率は,いくらになるであろうか。

●限界代替率(Marginal Rate of Substitution, MRS)

●限界代替率逓減(Decreasing Marginal Rate of Substitution)

[ファクト9.1]
 $MRS = \frac{MU_X}{MU_Y}$