ミクロ経済学:第22回講義ノート

2014年11月4日 火・3[新]ミクロ経済学B[旧]現代経済学応用B

生産者 (2) 費用

[今日の内容]
1 費用の概念
2 総費用曲線
3 短期総費用曲線と長期総費用曲線の関係:包絡線
[今日の問題意識]
前回 問題意識】
■Q. 費用の定義は?技術と費用の関係は?
[キーワード]
機会費用,正常利潤,超過利潤,総費用,費用最小化,可変的生産要素,固定的生産要素,可変費用,固定費用,短期,長期,賃金,レンタル・コスト,費用最小化の1階条件,技術的限界代替率,要素価格比,短期総費用曲線,長期総費用曲線,包絡線
[参考書]
奥山 4章 4.2.1, 4.2.2

1 費用の概念

●機会費用 (Opportunity Cost)

[例22.1]参考書, 例4.7

(a) 会計上の収支(b) 経済学上の収支
収入6,000万円6,000万円
費用人件費1,800万円1,800万円
その他3,000万円3,000万円
機会費用店舗の家賃0円240万円
自営での労働0円1,100万円
利潤1,200万円-140万円
●正常利潤 (Normal Profits)
●超過利潤 (Excess Profits)

2 総費用曲線

●総費用 (Total Cost, TC)
●総費用曲線 (Total Cost Curve)
●可変費用 (Variable Cost, VC)
●固定費用 (Fixed Cost, FC)

[ファクト22.1]
  TC = VC + FC

●可変的生産要素 (Variable Factor of Production)
●固定的生産要素 (Fixed Factor of Production)
●短期 (Short-Run) vs. 長期 (Long-Run)
2.1 労働投入量(L)が可変的,資本投入量(K)が固定的なケース
●賃金 (Wage, w)
●レンタル・コスト (Rental Cost, r)
●投入量の組が (L,K) のときの費用(C
C = wL + rK

【例22.2】自営リンゴ農家
・リンゴの木:15本所有
・リンゴの木:レンタル・コスト=年間16.8万円/1本
・労働の機会費用:年間210万円/1単位
・技術的関係(労働:年間 L 単位 vs. 生産量:年間 y トン)
  L 0 1 1.5 2 3 5 8 12 17 ・・・
  y 0 1  2 3 4 5 6  7  8 ・・・

2.2 すべての生産要素が可変的なケース

[ファクト22.2]費用最小化の1階条件参考書, ファクト4.8)
  MRTS = w/r

3 短期総費用曲線と長期総費用曲線の関係:包絡線

●短期総費用曲線
●長期総費用曲線

【考えてみよう!】
短期では L のみ可変的としよう。このとき,短期総費用曲線は K の大きさに応じて変化する。長期総費用曲線と短期総費用曲線は,どのような関係にあるか,考えてみよう!