ミクロ経済学:第21回講義ノート

2014年10月28日 火・3[新]ミクロ経済学B[旧]現代経済学応用B

生産者 (1) 技術

[今日の内容]
1 生産関数
2 生産性
3 等量曲線
4 規模に関する収穫
[今日の問題意識]
「ミクロ経済学B」第1回「応用3」】
・費用構造は,技術とどのように関係しているのか。例えば,生産性が上がれば,必ず単位当たりコストが下がるのであろうか。下がるとすれば,それは,どのような経営をしているときであろうか。
・費用最小化すれば,利潤は最大になるのであろうか。あるいは,利潤が最大となる生産水準を選べば,費用は自ずと最小になるのであろうか。
・供給曲線はどのように導出されるのであろうか。それは費用とどう関係するのであろうか。
■Q. 生産性の元となる生産技術をどのように表現すれば良いのか。
[キーワード]
技術,生産可能性,生産関数,平均生産性(平均生産物),限界生産性(限界生産物),限界生産性逓減,等量曲線,技術的限界代替率,規模に関する収穫,同次関数
[参考書]
奥山 4章 4.1

1 生産関数

●技術
●生産可能性
●生産関数

[例21.1]
ITを利用して人が行う作業をコンピュータに代替することが可能になった企業を考えよう。コンピュータを1台導入すると,人二人を削減できるという。また,人一人で2単位の生産が可能である。

[例21.2]生産関数の例(以下,A > 0, α > 0, β > 0)
・線形,完全代替
  y = A(αL + βK)
・レオンチェフ型,完全補完
  y = A min{αL,βK}
・コブ・ダグラス型
  y = ALαKβ

2 生産性

●平均生産性(平均生産物)
 労働の平均生産性(APL
 資本の平均生産性(APK
●限界生産性(限界生産物)
 労働の限界生産性(MPL
 資本の限界生産性(MPK
●限界生産性逓減

[ファクト21.1]限界生産性と平均生産性の関係参考書, ファクト4.2)
投入量がゼロのときに,生産量がゼロになるとしよう(Axiom of Inaction)。このとき,つぎの投入量で,限界生産性と平均生産性は,一致する。
(1) ゼロ
(2) 平均生産性が最大となる投入量

[例21.3]リンゴの木を10本所有しているあるリンゴ農家の年間 L単位の労働とリンゴの産出量(年間10 y kg)の技術的関係が,次の通りであったとしよう。
  L 0 1  2  3  4  5  6  7
  y 0 10 22 36 44 50 54 56
■Q. ファクト21.1は,成り立つであろうか?

3 等量曲線

●等量曲線(Isoquant)
●技術的限界代替率(Marginal Rate of Technical Substitution, MRTS)

[ファクト21.2]限界生産性と技術的限界代替率の関係参考書, ファクト4.3)
  MRTS = MPL/MPK

4 規模に関する収穫

●規模に関する収穫
・規模に関する収穫一定(不変)
・規模に関する収穫逓減
・規模に関する収穫逓増
●k次同次関数
f(tL, tK) = tkf(L, K)