[法]経済原論:第4回講義ノート
経済学の問題意識と経済学説概史 (2011/6/2)
- [今日の問題意識]
- 経済学の問題意識と学説
- [今日の内容]
-
1 投入産出表(前回の復習)
2 経済学の問題意識
3 経済学説概史 - [キーワード]
- 相対価格,資源配分,希少性,所得分配,市場メカニズム,古典派,見えざる手,重商主義,セイ法則,有効需要の原理,限界革命,新古典派,ケインズ革命,ケインズ経済学
- [教科書]
- 第1章1.3, 1.4
- [関連練習問題]
- 問題1.7, 1.8 (第1章末) + 問題4.2(講義ノート内)
1 投入産出表(前回の復習)
問題4.1](教科書 第1章末 問題1.5)
2 経済学の問題意識
- 主体の選択 Cf. 第2回講義 例2.1
- レンタカーのリース料と自動車の価格 → 相対価格 (relative price)
- 資源配分
- 希少性 (scarcity)
- トレード・オフ
- 所得水準
■Q. 所得が増加すれば,選択範囲は? - 所得分配
- 「格差」?
- 市場の機能,効能 vs. 政府の介入
- 市場メカニズム vs. 資源配分, 所得水準, 所得分配, etc., etc.
- 経済に対し,政府がしてはならないこと
- 市場以上の効能を政府が発揮可能か
- 経済制度
3 経済学説概史
[問題4.2](本の使い方)以下で登場する経済学者の中で,教科書に掲載されている学者を探し,次のキーワードの中から適切な用語を使って説明しなさい。
見えざる手 重商主義 限界革命 オーストリア学派 ローザンヌ学派 ケンブリッジ学派 ケインズ経済学
3.1 古典派経済学 (Classical Economics)
- 主な経済学者
- アダム・スミス (1776)『国富論』
- J-B. セイ (1803) Treatise on Political Economy
- D. リカード (1817)『経済学および課税の原理』
- T. マルサス (1820)『経済学原理』
- J. S. ミル (1848)『経済学原理』
- 「見えざる手」(Invisible Hand)
各主体 自己の利益(効用,利潤)追求 → 経済全体の総生産額 最大
経済自由主義(Economic Liberalism)vs. 重商主義 - リカードとマルサスの論争
- 「セイ法則」
供給それ自らその需要を創出 - 「有効需要の原理」
需要それ自らその供給を創出
- 「セイ法則」
3.2 限界革命からケインズ革命
- クールノー (A. A. Cournot, 1801-1877)
1838年の著書『富の理論の数学的原理に関する研究』 - 限界革命 (Marginal Revolution)
- 主な経済学者
- W. S. ジェボンズ (1871) The Theory of Political Economy → エッジワース
- C. メンガー (1871)『経済学原理』 → オーストリア学派(ハイエクなど)
- L. ワルラス (1874)『純粋経済学要論』 → ローザンヌ学派(パレートなど)
- オーストリア学派
「国ができること,できないこと」
- 主な経済学者
- ケンブリッジ学派(Cambridge School, 新古典派 Neoclasscial)
- A. マーシャル (1890)『経済学原理』
- A. C. ピグー
- J. M. ケインズ
- ケインズ革命
- J. M. ケインズ (1936)『一般理論』
- J. R. ヒックス,IS-LM分析, 1937
J. M. Keynes, The General Theory, 1936, p. 293
"The right dichotomy is, I suggest, between the Theory of the Individual Industry or Firm and of the rewards and the distribution between different uses of a given quantity of resources on the one hand, and the Theory of Output and Employment as a whole on the other hand."
3.3 「ミクロ経済学」 vs. 「マクロ経済学」
- 資源配分上の価格,市場の役割
- 集計量を対象に景気変動,経済成長