現代経済学応用:第23回講義ノート
2012年11月6日 火・3[新]現代経済学応用B[旧]ミクロ経済学B
後期第8回 資源配分の仕組み(4) オークション
<今日の内容>
0 今日の問題意識
1 理論編:オークションの理論
1.1 イギリス式オークション
1.2 オランダ式オークション
1.3 第1価格封印入札
1.4 第2価格封印入札
1.5 4つの基本形とヴィックリー収入等価定理
2 応用編:例1.1(後期第1回講義)への応用
0 今日の問題意識
<後期第1回講義 例1.1 & 問題意識 Q.1, Q.2, Q.3>
■Q. 「オークション」は,資源配分の決定の仕組みとして十分に機能するのであろうか?
■Q. もしそうであれば,パレート効率な所得分配を導くのであろうか?
1 理論編:オークションの理論
※[参考]奥山 15章 15.3
1.1 イギリス式オークション
●呼び値
[ファクト23.1]m人の買手の需要価格を高い順に並べたとき,
v(m) > v(m-1) >・・・> v(2) > v(1)
イギリス式オークションでの落札価格は v(m-1),落札者は v(m) の需要価格をもつ買手である。
1.2 オランダ式オークション
■Q. どの呼び値で,買手は手を挙げれば良いか?
●一様分布
[ファクト23.2]m人の買手の各々の需要価格が a から b までの一様分布に従うと各買手が予想しているとき,需要価格が v の買手のオランダ式オークションでの入札価格は,
b = (a/m) + (m-1)v/m
この結果,m人の買手の需要価格を高い順に並べたとき,
v(m) > v(m-1) >・・・> v(2) > v(1)
オランダ式オークションでの落札価格は (a/m) + (m-1)v(m)/m,落札者は v(m) の需要価格をもつ買手である。
1.3 第1価格封印入札
[ファクト23.3]第1価格封印入札とオランダ式オークションは,ゲームのルール上,同一である。
1.4 第2価格封印入札
●第2価格封印入札
●ヴィックリー・オークション(Vickrey auction)
[ファクト23.4]第2価格封印入札とイギリス式オークションは,同じ呼び値(入札価格)を誘導する。
1.5 4つの基本形とヴィックリー収入等価定理
■Q. 4種類のオークションのいずれが,売手にとって最も有利であろうか。
●事前(ex ante)と事後(ex post)
[ファクト23.5]ヴィックリー収入等価定理
落札価格の事前における評価は,イギリス式,オランダ式,第1価格封印入札,第2価格封印入札のいずれも,同じである。
2 応用編:例1.1(後期第1回講義)への応用
イギリス式オークション
オランダ式オークション:18万円から68万円の間の一様分布の場合
■Q. パレート効率な結果であろうか。
■Q. 市場均衡と異なる結果であろうか。どのような差異があるのか。