ミクロ経済学:第25回講義ノート
2014年11月25日 火・3[新]ミクロ経済学B[旧]現代経済学応用B
生産者 (4) 利潤最大化と供給活動
- [今日の内容]
- 1 利潤最大化
- 2 生産物の供給曲線
- 3 利潤最大化行動と費用最小化
- [今日の問題意識]
-
【秋学期第6回 問題意識】
■Q1. 利潤最大化は,単位当たり費用が最小の生産水準であろうか?結局,企業の供給活動の意思決定は?それは,短期,長期では異なるのであろうか?
■Q2. 費用最小化をせずに,単純に利潤を最大化する生産計画を選んでは駄目なのであろうか。 - [キーワード]
- 収入,限界収入,最適生産計画,主体的均衡,利潤最大化の1階条件,供給量,供給曲線,操業中止点,損益分岐点,限界生産性価値(限界生産物価値),費用最小化の1階条件
- [参考書]
- 奥山 4章 4.4, 4.5
1 利潤最大化
- ●収入 (Revenue)
-
生産物の市場価格:
p
生産量y
での収入:R = py
- ●限界収入 (Marginal Revenue, MR)
[ファクト25.1]生産物市場が競争的であれば,
MR = p
- ●利潤 (Profits)
π = R - C
-
費用最小化済み ⇒
π = R - TC
- ●最適生産計画
[ファクト25.2]利潤最大化の1階条件(参考書, ファクト4.14)
利潤を最大化する生産量では,
MR = MC
したがって,生産物市場が競争的であれば,
p = MC
2 生産物の供給曲線
[仮定25.1]生産物市場は,競争的
- ●供給量
- ●供給曲線 (supply curve)
<例証>例22.2:リンゴ農家(秋学期第7回)
■Q. ファクト25.2によれば,限界費用曲線が供給曲線になるのであろうか?
- ●損益分岐点
- ●操業中止点
[ファクト25.3]損益分岐点の条件(参考書, ファクト4.16)
(1) p = MC
(2) p = ATC
[ファクト25.4]操業中止点の条件(参考書, ファクト4.15)
(1) p = MC
(2) p = AVC
3 利潤最大化行動と費用最小化
■Q1. 利潤最大化は,単位当たり費用が最小の生産水準であろうか?
■Q2. 費用最小化をせずに,直接,利潤を最大化する生産計画を選んでは駄目なのであろうか。
- 費用最小化済みの下での利潤最大化
max π = py - TC
- 直接,利潤最大化
max π = py - (wL + rK)
[ファクト25.5]利潤最大化の1階条件(参考書, ファクト4.18)
直接,利潤最大化する生産計画では,
p MPL = w
p MPK = r
- ●限界生産性価値 (Value of Marginal Productivity)
[ファクト25.6]
直接,利潤最大化すれば,費用最小化している。