企業と経済・応用:第17回講義ノート

均衡 (1) 交換経済 (1) ワルラス均衡 (2011/10/3)

[今日の問題意識]
■Q. 部分均衡分析で成り立った市場の機能(第5回第6回講義)は,序数的効用の下での一般均衡でも成り立つのであろうか。
[今日の内容]
1 問題意識の確認
2 実行可能な資源配分
3 ワルラス均衡
[キーワード]
資源配分,初期付与,実行可能性,エッジワース・ボックス,主体的均衡,オッファー曲線,ワルラス均衡
[教科書]
5章 5.2.1
[関連練習問題]
教科書 5章末 問題5.7 (1)-(4), 問題5.8

1 問題意識の確認

1.1 <部分均衡分析>(復習)

[仮定2.1](第2回
効用水準は,金銭と1対1で対応している

[結果](第5回第6回講義)
・厚生経済学の第1基本定理
・厚生経済学の第2基本定理

1.2 今日の問題意識

[例17.1](教科書 5章末 問題5.8)あるカレー店では,カレー(商品X)とライス(商品Y)の量を自由に選べる。カレー店の商品XとYのクーポン券をAさんは2単位と9単位,Bさんは10単位と1単位持っているとする。

■Q1.Aさんはカレーとライスの比率を2対3,Bさんは2対1にこだわっているとき,個人的にも不満がなく,2人全体でも合意可能な資源配分は実現するのであろうか。
■Q2.そのような資源配分は,「市場」であれば実現できるのであろうか。逆に言えば,「市場」以外に実現できる方法はあるのであろうか。
■Q3.AさんやBさんの好みが変わっても,「市場」は2人を満足させることができるであろうか。例えば,Bさんがこだわりがなくなった場合は,どうであろうか。

今回:市場での取引
次回:Q1, Q2, Q3

2 実行可能な資源配分

■Q. 資源配分をどのように表現すれば良いか。また,実行可能な資源配分は?

●消費計画(復習)

●資源配分とその実行可能性

●初期付与と初期資源配分

●エッジワース・ボックス(Edgeworth Box)

3 ワルラス均衡

●ワルラス均衡(Walrasian Equilibrium)
 各主体:主体的均衡
 資源配分:実行可能

3.1 消費者の主体的均衡

●交換経済における予算制約線

●交換経済における価格消費曲線:「オッファー曲線」

3.2 ワルラス均衡での資源配分と相対価格

●2人2財のワルラス均衡

[ファクト17.1]純粋交換経済のワルラス均衡では,消費者間の限界代替率が等しい。